ビールと本と旅とおもしろいこと。

富江弘幸(ビアライター)



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羽田空港の税関で別室に連れて行かれた話




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無修正の私 @hiroyukitomie です。

 

久しぶりに旅の話を。

 

最近はあまり旅らしい旅をしていないのですが、昔はバックパッカーを中途半端にこじらせていたので、旅のネタはそれなりに持っています。ただ、ネタを持っていても昔のことなので、何かきっかけがないとそれを思い出せないんですよね。

 

先日、仕事仲間とのランチ時に「旅先で遭遇した危険なこと」という話題になりまして、そこで話したネタをここで紹介したいと思います。

 

本格中華を食べに香港へ

それは20年以上前の話。

 

急に本格中華が食べたくなった大学生の私は、部活の友だち数人に「中華食べに行くぞ」と声をかけ、男3人を香港へ連れ出すことに成功します。

 

大学生ですから資金に余裕があるわけでもなく、できるだけ格安のツアーを探して申し込みました。羽田発着の香港3泊4日ツアーでした。

 

今でこそ、羽田空港からは多くの国際線が飛んでいますが、当時の羽田空港に乗り入れていた国際線は台湾路線だけでした。キャリアとしては、日本アジア航空と台湾のチャイナエアラインの2社だけだったと思います。

 

香港に行くのに台湾路線? と思うかもしれませんが、チャイナエアラインは台湾が本拠地なので、日本からは台湾経由でチャイナエアラインが飛んでいる都市に行くことができたのです。もちろん、台北〜香港路線もありました。

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なので、我々も台湾(台北)経由の香港行きでした。当時の香港は啓徳空港が健在で、飛行機がビルの合間を抜けて着陸するような「香港アプローチ」だったのを覚えています。

 

で、香港では飲茶やら屋台やらで食べまくり、「うまい! うますぎる!」を連呼していたのですが、それはまた別のお話。

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今回は、香港を楽しんだ後また羽田に帰ってきたときの話です。

 

税関での恐怖体験

基本的に、日本に入国する際の手続きの流れは、下記のようになっています。

検疫→入国審査→税関→入国

 

入国審査まではスムーズに進み、悲劇は税関で起こりました。友だち3人が何事もなく税関を通った後、私だけが係員に呼び止められたのです。

 

「これは何ですか? ちょっと別室へ来てください」

 

そう言って係員は私のバックパックから紙袋を取り出し、他の係員を数名呼んだのです。私が香港で購入したものでした。背中に嫌な汗が流れたのは言うまでもありません。

 

香港の活字文化に触れる

話を香港に戻しましょう。

 

我々は本格中華を食べるというミッションをこなしながらも、香港で別のミッションも自分たちに課していました。

 

我々、特に私は熱心な読書家であったため、香港のコンビニなどに立ち寄るうちに香港の活字文化についても興味を持ち始めたのです。香港は日本とは違う活字文化が息づいていました。

 

なんと無修正なのです。

 

何がどう無修正なのかは賢明な読者諸氏の想像におまかせしますが、修正をせずに一次情報をそのまま掲載するという点では、明らかに日本よりも先進的な文化であると、我々若い男4人の認識は一致しました。

 

そんな香港の活字文化を3泊4日という短い期間でできるだけ吸収するために、我々は主にコンビニで無修正の雑誌を買い集めたのです。

 

そう、天竺から経典を持ち帰った玄奘三蔵と同じような使命感に燃えていました。

 

「これを日本に持ち帰るんだ」

 

羽田空港の税関係員が私のバックパックから取り出したのは、そんな香港での経典を入れた紙袋だったのです。

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別室での尋問

別室では係員からいくつか尋問を受けました。

 

「この雑誌は香港で購入したものですか?」
「はい」

「こういった雑誌を持ち込んではいけないということを知っていますか?」
「はい」

「持ち込んではいけないものなので、これはここで廃棄します」
「はい」

「廃棄に同意するのであれば同意書にサインしてください」
「はい」

「なお、これは犯罪ではなく前科にはなりませんので安心してください」
「はい」

 

係員の表情は笑うでもなく怒るでもなくフラットでしたが、「はい」としか答えさせない威圧感がありました。

 

修正せずにそのまま一次情報を掲載するという他国の進んだ文化を受け入れない言論統制に、力及ばず屈してしまった瞬間です。

 

それがあまりにも悔しくて動揺してしまったことを覚えています。最後に、これまでの尋問の文脈を無視して「係員の人たちはみんな公務員なんですか?」と、どうでもいい質問をしてしまったほどです。

 

果たしてこれは危険なことだったのか

どれくらい拘束されていたのかは思い出せません。おそらく15分くらいだったのではないかと思います。税関を出たところでずっと待っていてくれた友だち3人 が、私の顔を見て爆笑していたのは忘れられません。

 

 

ということを「旅先で遭遇した危険なこと」というテーマで話したわけですが、果たしてこれは危険なことだったのかどうか、先ほどから自問自答している秋の夜です。

 

私からは以上です。本日はありがとうございました。

香港行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。

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