ビールと本と旅とおもしろいこと。

富江弘幸(ビアライター)




スポンサーリンク

華やかな「お世話になっております」(ソレイユルヴァン)

華やかな私です。

ビアライターなんてものを名乗っていると、「どんなビールがオススメですか?」と聞かれることがよくあります。

ガチで答えるとするならば、少々好みについてヒアリングのお時間をいただくことに。しかし、そんなヒアリングをしていると、「コイツに聞かなきゃよかったな…」とか「単においしいビールを知りたいだけなんだけど…」とか、困惑の表情を向けられて、こちらも困惑してしまう。

つまりは、ビアライターという輩が、どんなビールを好きで飲んでいるのかが知りたいだけなのだな。めんどくさい話はいいから、どんなビールがうまいんだ、と。じゃあ、自分が純粋に「うまいッ! なんじゃこりゃッ!」と思ったビールをここで紹介していこうじゃないか、と。そういうわけです。

ちなみに、2015年9月から12月まで、cakesで「あなたのしらない、おいしいビール」という連載を書かせていただいていました。

それとは違うスタイルでビールを紹介してみたいと思います。

いろいろ御託を並べて困惑される前に、本題に入ります。小心者なので。

実は、昨日(2月17日)は自分の生誕41周年を記念するそれなりに特別な日だった。簡単に言うと誕生日です。梶井基次郎、マイケル・ジョーダン、舞の海も2月17日生まれ。1日早く生まれていたら、金正日と同じ誕生日となっていました。胎児の自分ナイス。

そんなそれなりに特別な日だったんですが、朝からなかなかのトラブル対応に追われる日でした。「自分のミスではないのになぜ俺が」と1分間当たり5回ほど思っていたものの、「担当だから」という正論が返ってくるのは火を見るより明らかだったため口には出しませんでした。これが、41年生きて最近やっと身に付けたスキルのひとつ。

結局、夕方頃までかかってもそのトラブルは解決には至りませんでした。明日に持ち越しだろうということで、気持ちが諦めの境地に入ったのが自分でもわかります(これは結構前から身に付けているスキル)。

となれば、もう飲んでしまおう。いや、飲まないと今日がイヤな日で終わってしまう。そこで、仕事場を抜け出し、ほぼ開店と同時に入ったのが、内幸町にある「フィルデジュール」。

この店はベルギービール専門店「ブラッセルズ」の系列で、ベルギービールだけでなくそれ以外の国のビールも扱っています。そのブラッセルズが今年30周年を迎え、それを記念してベルギーの醸造所とコラボして造ったビールが系列店で飲めるということなので、この店にやってきたわけです。

コラボっていうだけで飲みますよね、マニアは。

「◯◯醸造所と××醸造所の限定コラボビールが開栓!」なんて投稿がFacebookにアップされると、マニアの「いいね!」が瞬く間に集まります。とりあえず「いいね!」しておくかの「いいね!」ではなく、本気で「いいね!」と思っている「いいね!」。

自分は「いいね!」もなかなか押せないほどの小心者なんですが、内心では「超いいね!」と思っていたりします。マニアであることは否定しません。マニアです。

 

で、そのコラボビールが、「ソレイユ ルヴァン」というビール。

f:id:hiroyukitomieme:20170523212402j:plain

席について即注文、目の前にボトルとグラスが置かれるのを見て、脳内は「超いいね!」を押しまくっていました。トラブル対応というマイナスから、まさにストップ高の状況。ビールが注がれたグラスからは、花束のような香りがほのかに立つ。正直言って、もうこの時点でうまい。飲まなくてもうまい。

飲まなくてもうまいけど飲んでみると、リンゴやオレンジをも思わせるフレーバーがあり、やはりどこかフラワリーな香りも感じます。

というのも、ハイビスカスとバラの花、カシスのつぼみを副原料として使っているそうで、ラベルにも「花」という漢字が書かれています。飲んだ後は、華やかな香りが鼻から抜けて、これがまた心地いいんです。

そして、最後には口の中を引き締めるキリッとした苦味。ラベルにはIBU37という表記がありますが、これは苦味の単位で、日本の大手ビールの中で一番苦いと言われる「キリン クラシックラガー」が28くらい。

なので、それよりも少し苦い程度なんですが、初めて飲んだ人でも決して苦いビールだとは思わないでしょうね。甘味と酸味、苦味のバランスが最高だから。ホントいい仕事してますなあ。

これはもう「うめー」としか言いようがない。店員さんには聞こえないように「うめー」を連呼。連呼連呼。イヤな一日になりそうだったが、このビールのおかげで最高にいい気分になりました。

そうやって楽しく飲んでいると、トラブル関係者から携帯に電話がかかってきました。一瞬で楽しい時間から現実に引き戻されたわけです。

「なぜこんな時に!」と思ったので、言ってやりましたよ。


「お世話になっております!」(爽やかに華やかに)

 

その声とともに華やかな香りが僕の口から漂ったはずだが、電話の主は気付いただろうか。

 

ソレイユ ルヴァン セゾン 330ml

ソレイユ ルヴァン セゾン 330ml

 

 

スポンサーリンク