ビールと本と旅とおもしろいこと。

富江弘幸(ビアライター)

世界三大持っているとカッコよさそうに見えるような気がする文庫

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形から入る私です。

 

物心ついたときから形から入るようになっていたと思います。形から入っただけで、俺はもうすべてマスターした、みたいに思っていた自分を恥ずかしく思ったりするときもありますが、たぶんもう死ぬまで治らないと思うので、さほど気にしてはいません。

 

特に大学生の頃はまあまあの中二病でして、形から入る全盛期だったように思います。形から入ることに力を入れていたのは、文学青年っぽさを醸し出すこと。これを読んでいたらかっこよく見られるだろうなあ、という本をクリアケースに入れてタイトルが見えるようにしていたのです。

 

では、どんな本を持ち歩いていたのか。

 

自殺について

まずはこれですね。ショウペンハウエルの『自殺について』。

自殺について 他四篇 (岩波文庫)

自殺について 他四篇 (岩波文庫)

 

 

最高にカッコいいですね。

 

ショウペンハウエルという名前のカッコよさだけでなく、自殺についてという文学青年にありがちな退廃的雰囲気を出すにはもってこいです。しかも、薄い。Amazonのデータでは107ページ。ペラペラですよ。

 

そしてなんといっても、497円というコスパのよさ。今でこそ500円近くなっていますが、私が大学生の頃は300円台で買えたような気がします。300円台で文学青年を気取れるなんて、お得ですよね。

 

なので、内容についてはあまり覚えていません。キリスト教的死生観とは逆のことを書いていたような気がします。覚えていませんが。

 

読書について

そしてショウペンハウエルをもうひとつ。

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

 

 

これもまた最高にカッコいい。

 

読書についてという、普段あまり意識しない単純なテーマですが、ショウペンハウエルが書いているということで、そこにギャップが生まれます。哲学者が考えると何もかもカッコよく見えますね。そのパワーをお借りするわけです。

 

こちらもあまり内容を覚えていないのですが、読書ばかりしているとバカになるぞ、といった感じだったような気がします。覚えていませんが。

 

草の花

持っているとカッコよく見える本の日本代表は、福永武彦の『草の花』を推したいと思います。

草の花 (新潮文庫)

草の花 (新潮文庫)

 

この本も最高にカッコいい。

 

何がカッコいいかというと、福永武彦自体がカッコいい。そして、福永武彦は文学好きには有名作家だと思うのですが、一般的にはそこまで知られていないんじゃないかと思います。国語の教科書に出ているわけでもなく、何か賞をとったわけでもなく。「三島由紀夫が好きです!」というよりも、ちょっと斜に構えた感じがあってカッコいいのです。

 

斜に構えた感じといっても、小説自体はめちゃくちゃおもしろい。いや、きれいといったほうがいいか。簡単に言うと、主人公(男性)が友だちである兄妹を愛しながらもそれが叶わず、死を選んでしまうという話なんですが、まあこれがきれい。

 

主人公の悲しい美しさと、それを表現した福永武彦の筆力。素晴らしい。

 

 

世界三大持っているとカッコよさそうに見えるような気がする文庫

で、こういうことを書いていて思ったのは、自分が学生だった頃も今も安く良質なコンテンツを求めているのは変わらないんだな、ということ。

 

『自殺について』なんて300円台だったわけですが、それがいまはcakesやnoteの有料コンテンツだったり、形が変わっただけなんじゃないかと。まあ、良質なのかどうかはさておき、何か読みたい、という気持ちは今も昔も同じなんですね。

 

ということで、突然ですがこの3冊を「世界三大持っているとカッコよさそうに見えるような気がする文庫」としたいと思います。

 

カッコよさそうに見えるということから本の世界に入ってもいいんじゃないでしょうかね。そんな中二病の大学生でも、2冊著書を出版できたわけですから。

 

こんな本ね。3月16日発売予定です。

教養としてのビール 知的遊戯として楽しむためのガイドブック (サイエンス・アイ新書)

教養としてのビール 知的遊戯として楽しむためのガイドブック (サイエンス・アイ新書)

 

 

私からは以上です。本日はありがとうございました。