ビールと本と旅とおもしろいこと。

富江弘幸(ビアライター)

小室哲哉と聞いて思い出したこと

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中学1年生のとき、仲の良かった友だちが地方へ引っ越していった。

 

僕が住んでいたのも地方だけど、友だちが引っ越したのは日本の端と言ってもいいくらい遠いところだった。

 

「俺、来月引っ越すんだよ」

 

友だちの家に遊びに行ったとき、ダンボールが家の中の至る所に置いてあったのが気になったので聞いてみたら、友だちはそう答えた。引っ越すという事実をそのとき初めて聞いたのに、僕は特に驚かず、

 

「ふーん」

 

とそっけなく返しただけだった。

 

実際、さほど驚いてもいなくて、「まあ、またどうせ会えるんだし」なんて根拠のない自信があり、友だちもなぜか感傷的にはなっていないようだった。

 

友だちは親から聞いていたんだと思う。1年経ったらまたここに戻ってくるかもしれないということを。でも、僕は友だちからそんな話は聞いていなかったので、なぜまた会えると思っていたのかわからない。

 

「死ぬまで付き合える友だちっていうのは、こんな感じなのかもしれない」

 

なんて、中学生ながら思っていたかもしれないが、そのあたりはちょっと覚えていない。とにかく、引っ越しまでの約1カ月間、特に今までとは何も変わることなく遊ぶ日々が続き、そして引っ越していった。

 

1年後。

 

友だちは戻ってきた。根拠のない自信があったので、戻ってきたことについても驚きはなかった。1年間のブランクがあっても、昨日会ったばかりのように会話できたし、見た目も性格もお互い大きく変わったことはないようだった。

 

が、ある日のこと。

 

「おまえ、ティーエム聴かねえ?」

 

と友だちが聞いてきた。

 

ティーエム。なんのことかさっぱりわからなかった。「?」という顔をしていると、

 

「なに、おまえTM NETWORK知らねえの?」

 

と言う。どうやらバンドのことらしい。CDも持っているという。そしてなんとコンポも買ったという。

 

僕はといえば、藤子不二雄を卒業して宮崎アニメを見るようになり、ついに大人の階段をのぼりはじめたと思っていた。が、TM NETWORKという大人が聴くバンドのCDをコンポで毎日聴いている友だちは、大人の階段の踊り場くらいまでのぼっているように見えた。

 

友だちは僕よりも大人になって戻ってきたのだ。

 

そう気づいたその日から、友だちとはどちらともなく離れはじめ、あまり遊ばなくなってしまった。高校も同じだったが、高校の3年間でほとんど話した記憶はなく、その後もまったく連絡はとっていない。

 

そんなことがあったからかもしれないが、TM NETWORKはあまり好きではないし、ここ数日の小室哲哉についても積極的に情報を仕入れようともしていない。

 

そうだ、その友だちは渡辺美里も好きになって戻ってきたんだった。そういうわけで、僕は渡辺美里もあまり好きではない。

 

TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999

TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999

 

 

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